バンコクの三大廃墟/Three major abandoned in Bangkok

【シリーズ 世界の廃墟】

2024年2月、私はタイ王国のバンコクに1か月ほど滞在していた。今回でバンコクに来るのは5度目くらいなのだが、タケノコくらいのスピードで成長していくバンコクの街には、毎度驚かされる。そんなバンコクには魅力的な廃墟がいくつもあるのだが、今回はバンコクの三大廃墟をご紹介させて頂く。ちなみに内部の調査が出来なかったり、既に存在していなかったりと散々な記事であることを予めご了承頂きたい。そしてバンコクの三大廃墟は私が勝手に認定しているので、気にしないで欲しい。※廃墟マニア界隈には別にバンコク三大廃墟があるらしい。

1.ニューワールド・デパートメントストア
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バンコクの観光地としても有名なカオサン市場から北に500メートルほど移動した場所にあるデパートの廃墟。現在は建て直しの工事が行われているため、外壁を覆うように防護シートが張られている。

こちらの廃墟は1983年に11階建てのデパートとして建設されたのだが、バンコク当局から建築の許可が下りたのは建物の4階までで、結局、建設途中のままオープンを迎える。オープン後も建設は続いたのだが、事故により作業員の方が1名亡くなってしまった。その後は当局との裁判など色々とあった結果、工事も止まり廃墟となってしまった。
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しかし、ここからのエピソードが面白い。廃墟になったデパートの地下には雨水が溜まり、蚊の幼虫であるボウフラが湧いた。こりゃ大変だと、近所の住人たちは、そのボウフラを餌にして魚の養殖を始めたのである。こんなエピソードを持った廃墟は世界を探しても他にないだろう。
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私は5年ほど前にも、この廃墟に来たことがある。その時は今よりも放置されていた状態だったが、近所の方との交渉も虚しく、内部に入ることは出来なかった。

今回は既に何らかの工事が始まっており、内部には多くの作業員の姿が確認できた。一時はイベントなどで解放される機会もあったようだが、現状、侵入はかなり難しいようだ。
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こちらは先ほどのストリートの裏手に回った場所である。こちら側もご丁寧に防護シートが張られていた。しかし、建物の横に大きな立体駐車場があり、僅かであるが、デパートの姿をカメラに収めることができた。

こちらが、ニューワールド・デパートメントストアの様子。
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外壁からは火災の影響は無さそうに見えるが、それでも不気味な雰囲気のある良い廃墟である。駐車場の敷地とは背丈より少し高い塀で遮られているが、超えられない壁ではない。これは夜中に来れば、侵入することも可能かと思ったが、東南アジアの国では改装中の建物に職人さんが寝泊まりすることも多々あるので、その点のリスクも踏まえ、侵入は断念することにした。

何とかブロック塀の隙間から内部の様子が見える。
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エスカレーターが確認できる。ニューワールド・デパートメントストアの廃墟は朽ちたエスカレーターの下に水がたまり、そこに魚が泳いでいる姿が有名である。インターネットに結構出回っているので、是非『new world department store Bangkok』と検索してみて欲しい。

最後に立体駐車場の上部からも撮影し、ニューワールド・デパートメントストアの調査を終える。
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2.サトーン・ユニーク・タワー
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バンコクの中心地のひとつであるクローンサーン方面から見たサトーン・ユニーク・タワーという廃墟のようす。聳え立つその姿はバンコクのシンボルと言っても過言ではない。元々、超高層のコンドミニアムとして建設されていたのだが、1997年のアジア金融危機の影響などを受け、計画がとん挫した。

その後、世界のUrbex(都市探索)野郎たちの聖地のような場所となっていった。
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近づいてみると、外観の細かい彫刻なども作られている。素人目には、ここまで作ったのだから最後まで頑張りなさいと思うが、そうは行かないようだ。とくに内装の工事はまだまだ行われていない状態とのことだ。

こちらはサトーン・ユニーク・タワーを近くで見られる路地裏のようす。 _DSC2308_20240501.jpg
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高い壁に覆われている。サトーン・ユニーク・タワーは建設が止まった後も警備員を配置し、侵入者対策を取っていたのだが、その警備員たちが賄賂を受け取り、世界中の侵入者たちを内部に入れていた。グラフィティ用のスプレー缶を売ったりと10年ほど前までは、結構やりたい放題な状態であったようだ。

しかし、現在はかなり厳しいセキュリティがなされており、2015年には不法侵入をした5人が刑事告訴されたという情報もある。2度目の訪問となった今回も、警備員に入場の有無を確認したが、やはりダメなようだ。 _DSC2301_20240501.jpg
過去には外国人観光客が自殺したこともあり、バンコク市民の間では心霊スポットとして認知されているようだが、現在はAppleの広告塔になっているようだ。

最後にサトーン・ユニーク・タワーの路地裏を流れる水路へと移動し、その姿を撮影する。
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セキュリティが厳しい廃墟でも意外と裏手からスルッと入れる場所もあるのだが、建物からだいぶ距離もあり、そうは行かないようだ。年々厳しくなっていく侵入への道。立地的にそう遠くない未来、新たな姿に生まれ変わっているかもしれない。

最後に水路にいた仲良しネコたちを撮影し、サトーン・ユニーク・タワーの調査を終える。
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3.飛行機のお墓
最後にご紹介するのは、バンコクの郊外にある通称『飛行機のお墓』と呼ばれる場所である。以前、日本のTVで紹介されるなど、ある程度の知名度をもつ廃墟である。

しかし、結論から言うと飛行機は既に撤去されており、ただの空き地となっているのだが、バンコクで最も有名な廃墟のひとつである場所なので、とりあえず紹介されていただく事にした。こちらが飛行機のお墓があった場所の最寄り駅の様子。
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綺麗な駅だが、あまり利用者はいなかった。こちらの駅はバンコクの玄関であるスワンナプーム国際空港にも近い場所なのだが、中心街と比べると、まだまだ発展途中という感じで電車を利用する人も少ない。

ここから10分ほど歩いたところに目的の元飛行機のお墓がある。
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上は陸橋から撮影した街のようす。写真の青い看板の先が目的の場所である。ちなみに、前週にもこの場所に来て、跡地の撮影をしたのだが、実はそこは手前の空き地で飛行機があった場所ではなかった。それにも関わらず、向かいにあった食堂の店員さんに『あそこにあった飛行機は、いつ頃無くなりましたか?』など色々と質問攻めをしてしまい、『はぁ?』みたいな顔をされたのだが、そもそも場所を間違っていた。

そしてこちらが飛行機のお墓があった場所のようす。
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1年くらい前までは、写真の空き地に大きな旅客機が置かれいた。そして、敷地内には無許可で、とある家族が住みついており、彼らに100バーツから200バーツほど支払うと敷地内に入ることができた。飛行機はある程度、分解されていたが割と原型をとどめており、コックピットなども残されていた。

飛行機のお墓みたいな廃墟は、世界を見ても結構あるのだが、その多くが人がほとんど住んでいないエリアにある。そのため、外国人観光客が訪れるには色々とハードルが高いのだが、こちらはバンコクの中心地から、それほど離れていない場所にありマニアたちの間では有名となった。
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空き地の横には、建設関係の方たちが寝泊まりする仮住まいが建てられており、近い将来に何らかの建物がこの場所に立つようだ。廃墟というのは、100年放置されていたかと思ったら、ひと月ほどで簡単に消えていく物もある。その儚さも廃墟の魅力なのかもしれない。

最後にご迷惑をおかけした食堂で麺料理を頂き、飛行機のお墓の調査を終える。
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以上がバンコクの三大廃墟の調査結果である。毎度、実のある内容ではないが、今回は特に取れ高が弱かったので、3つをまとめて紹介させて頂いた。以前まではローカルルールがユルユルだったバンコクも近年の経済発展や国際化により、このあたりの取り締まりも厳しくなってきたようだ。そもそも廃墟探索が黒寄りのグレーであることは百も承知だが、真っ黒になってしまう前に世界中の素敵な廃墟を訪れて行きたい。

おわり。

Three major abandoned in Bangkok

Three ruins in Bangkok, Thailand. It is something that no longer exists or cannot be easily entered.

Location: Bangkok Thailand
Shooting date: 2/2024
category: Abandoned Places
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