水上公園の廃墟/Ho Thuy Tien waterpark
【シリーズ 世界の廃墟】
2017年12月某日。
ベトナムのフエにある『ホー・トゥイ ティエン・ウォーターパーク』へ行ってきた。
今回の旅、最大の目的であり、かねてから気になっていた廃墟の一つである。
見所は大きな龍が屋根に登った謎の建造物だ。
ホーチミンにいた私は早速フエへ移動する。
フエはベトナムの中央に位置し、ホーチミンから国内線で1時間ほどで着く。
フエに到着。
すっかり日も沈んでしまったため、水上公園へは明日の早朝目指すことにした。
その日は中高生のお兄ちゃんと妹が運営する謎のホテルに一泊……。
翌朝6時___。
小雨が降る中、水上公園を目指す。
ホテルから公園までは8キロほど…徒歩で向かうには少し辛いが気温が高くないことが唯一の救いだった。
フエはホーチミンに比べると湿気が高く、家の外壁や塀には苔が生えていたり黒ずんだりしている。
またホーチミンと比べるとだいぶ田舎町で良い雰囲気の町並みが続く……。
歩くこと1時間___。
人通りも少なくなり疲労も溜まりはじめる……。
ここら辺から野良犬と野良鶏が爆発的に増える。
コンビニでもあればコーラが飲みたいところだが流石にない……。
さらに20分歩くと___。
いよいよ民家もなくなり、誰一人いない道が続く。
雨も強まってきたのでそろそろ着いて欲しいと願っていると……。
ついに水上公園の入り口に到着。
ゲートは薄っぺらいテープで塞がれており、注意事項らしい張り紙があった。
しかしベトナム語なので分からない。
「ようこうそ!ウォーター・パークへ!!」かもしれないので、とりあえず中に入ってみる。
山道を進むと……
ここで終わりの始まりが向こうからやって来る。
原付バイクに乗った警備員だ。
怒ってはいない様子だが『NO!NO!』と出口を指さす。
1時間半ほど歩いてきたのにココで終わりか……。
諦めた私は来た道を歩き始めると警備員は私を抜き去り、先に出口へと向かった。
チャンス到来!
私は再び進む方向を変える。
目指すは龍が登る建造物。
ここまで来たのだから1枚でも写真に収めたい。
恐らく警備員が気づくまで、そう時間はないだろう。
私は走り始めた。
地図上の緑色の線が園内の路となっており、ハテナマークの所に恐らく龍はいる。
のどかな場所だったので本当はゆっくり堪能したかった。
走ること数分__。
龍らしき物が見えてきた。
しかし、後方からエンジン音が迫ってくる。
エンジンのフカシ具合から彼の怒りが伝わってくる__。
私は茂みに身を隠しながら龍の正面へと向かった。
体制を低くし1歩また1歩と近づいていく。
そして___。
龍の存在感と劣化した建造物の絶妙なコントラスト。
これは廃墟マニアも納得の一品だろう。
長い道のりと警備員にも負けずに来た甲斐は十分にあった……。
こちらは龍の後ろ姿。
この建造物へは四方に伸びている橋で近づくことができる。
しかし私が使えるのはこの橋だけ。
何故なら………
反対方向は警備員が完全ロックオン状態。
私が出てくるのを待っているようだ。
とりあえず死角となる裏から龍に近づき中に入ってみる…。
中はドーム状になっており、周回できるようになっている。
さらに2階もあり外観以上に楽しめる仕組みとなっていた。
出口はサメの口になっている。龍の中にサメ……どういうことなのだろうか。
私は20分ほど滞在して公園をあとにしようとした。
しかし、問題は警備員。
ここからどの様に撒こう……。
ここで注目したのは下からのルート。
道は数キロ先で来た道と合流している。
うまく行けば脱出できるかもしれない……。
あまかった__。
道は既に閉鎖されており2メートルくらいの塀で覆われていた。
恐らく警備員は唯一の逃げ道であるあの位置に居座っているのだろう…。
しかしミスミス捕まるわけにもいかない。
私はフェンスを越えた___。
フェンスの向こう側は鴨と鹿が仲良く暮らす謎の畑だった。
しかし私有地感が半端じゃない!
早く公道に出たいところだ。
私はとりあえず出口と思われる方角を目指し歩き始める。
歩くこと10分__。
山道を越えるとそこは修道院だった。
年末という事で修道院には子供たちが集まっており、山から現れた泥だらけの異国人に目が点となっていた…。
あんまり長くいると通報されそうなので修道院をあとにする。
そこからひと山越えると____。
ようやく公道に到着。
出発から半日…。
久々に過酷な戦いではあったが見応えのある素敵な廃墟だった。
最後にフエの名物?ぎゅうぎゅうのニワトリたち。
Ho Thuy Tien waterpark
It was a serious invasion after a long absence
I wanted to see more slowly
Location: Hue Vietnam
Shooting date: 12/2017
category: abandoned places
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