水道橋の廃墟/Skopje Aqueduct
【シリーズ 世界の廃墟】
2023年8月某日、北マケドニアのスコピエにある水道橋の廃墟を訪れた。ここはスコピエの市街地より1時間ほど北に進んだ場所にある。ローマ時代またはオスマン帝国時代に作られた物と諸説あるようだが、歴史あるのは間違えないようだ。今回、短い期間ではあったが、スコピエに滞在する機会があったので訪れた次第である。
こちらがスコピエの市街地から少し歩いた場所のようす。
観光客で賑わうエリアに比べると、かなり閑散とした場所だが人も車も少ないので、廃墟探索する私にとっては好都合である。暑さと武藤敬司ばりの膝の痛みが心配なところだが、1時間ほどの道のりなら問題ないだろう。
しかし、ここで早速の誤算が発生。Google Mapで示された最短ルートは大学の敷地内を通過する必要があり、部外者である私はここを通ることができなかった。結局、大きく迂回する必要があり、目的の水道橋まで2時間ほど歩く必要があった。
持ち歩いていた飲み物が底をついた頃、店舗や住宅が点在するエリアに入る。本当にこんな場所に水道橋の廃墟があるのかと不安が過ったが、小さな橋を渡っていると川の向こうにそれらしき建造物が見えてきた。
恐らく目的の水道橋だ。この川を沿って歩けば、水道橋に到着できるような感じもするが、Google Mapを見る限り、私道のようにも見える。先ほどGoogle Mapに騙されたばかりだが、急がば回れということで、更に1kmくらい迂回し公道に沿って進む。
少し進むとお庭でバーベキューを楽しむ家族を発見。お父さんが『あっちだよー』と水道橋への道を示してくれた。この辺りに来る外国人は水道橋が目当てであることを百も承知といった感じである。
整備されていない歩道を進むと先ほど川沿いから見えた目的の場所へと到着。そしてこちらが、スコピエの水道橋廃墟の様子である。
草原地帯に伸びる美しいアーチ型の水道橋。高さはそれほどないが、ヨーロッパ各国で見られる水道橋の中でも、歴史を感じさせる作りである。冒頭にもお伝えしたが、この水道橋の歴史には諸説あり、正確な建造時期は分かっていないが、雰囲気的にはローマ時代のものと言われても疑いはしないだろう。
現在でも専門家の間では様々な説が唱えられているが、それらは一致する事なく、歴史や目的など様々なことが謎に包まれた水道橋である。1963年に起きた地震によって一部が破損、修復されたが、現在も62本の柱が残されており、この場所で力強く佇んでいる。
私は30分ほど滞在し、スコピエの水道橋の廃墟を後にした。今回、スコピエの滞在では特に目ぼしい廃墟が見つからず、苦戦していたが、歴史と謎に包まれた素敵な廃墟に出会えたことは、とても価値ある体験であった。これからも世界中の素敵な廃墟を訪れていきたい。
おわり。
Skopje Aqueduct
The ruins of an aqueduct located about an hour north of cityerea Skopje. I don't know the exact history, but its beautiful appearance is a must-see.
Location: Skopje NorthMacedonia
Shooting date: 8/2023
category: Abandoned Places
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