戦争の中の子ども博物館/War Childhood Museum

【シリーズ 世界の博物館】

2023年7月某日、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボにある【戦争の中の子ども博物館】を訪れた。この場所はサラエボ中心街の北に位置し、1990年代に起きたサラエボ紛争で被害にあった子供たちに関する展示が行われている博物館である。今回、ひと月ほどサラエボに滞在する機会があったので訪れた次第である。

こちらが博物館の入り口の様子。
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住宅や商業施設が集まるエリアにある博物館。入り口を探すのに少し時間がかかったが、印象的なイラストの看板が出迎えてくれる。早速、博物館へ入ると、チケット購入前に色々と聞かれる。主に国籍やこの博物館を知った経緯などだ。そしてチケット代10兌換マルク(約835円)を支払い館内へと入る。ちなみに受付で、こんな本を貸してくれる。
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こちらはWar Childhood(戦争の子ども時代)という本で、世界10カ国以上で出版されている。英語、ポーランド語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、日本語に翻訳され、日本では集英社から【ぼくたちは戦場で育った】というタイトルで販売されている。本ではサラエボ紛争を生きた子供たちの悲痛な叫びが記録されている。
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受付で国籍を聞かれた理由はこれだったようだ。本は退館の際に返却すればよいので、展示品と共に鑑賞することができる。普段、あまり活字を読まない私であるが、思わず見入ってしまう内容であった。Amazonでも購入ができるので、興味がある方は是非。【ぼくたちは戦場で育った

そして、こちらが戦争の中の子ども博物館のようす。
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館内はそれほど広い空間ではないが、たくさんの展示品が並ぶ。それらはサラエボ紛争の中を生きた子供たちの持ち物や時代背景を感じさせる物である。それぞれの展示品には、子供たちのメッセージが添えられている。
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ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争ではユーゴスラビアの解体に伴い、独立の推進派と反対派によって起きた紛争である。3年以上続いた紛争で市民1万1千人以上が犠牲となり、その中には多くの子供たちもいた。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が起きたのは1990年代初頭のことである。私も当時は小学生である。自分はその時代にそんな苦しい事や恐ろしい時があっただろうか。それを思うと同じ時代を生きた彼らの苦痛がより身近なものに感じ、胸が詰まる思いであった。
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ちなみに戦争の中の子ども博物館は民間による非営利目的の博物館であり、先に紹介した著書War Childhoodの収益で設営された博物館である。現在でも戦争の悲惨さを伝える最も重要な博物館として世界からも高く評価されている博物館のひとつである。

確かに、ここ何年で訪れた博物館の中でも最も印象的な博物館のひとつであった。
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私は1時間ほど滞在し、戦争の中の子ども博物館を後にした。今回、サラエボ滞在に合わせて訪れる場所を検討している際に見つけた戦争の中の子ども博物館。サラエボ市内には紛争に関する博物館やその歴史を伝える建物などが多く残されており、観光名所として知られているが、サラエボを訪れた際には、こちらの博物館も訪れることを強くお勧めしたい。

おわり。
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War Childhood Museum

The most important museum in the city of Sarajevo. There were real voices of children who lived through the conflict era.

Location: Sarajevo Bosnia and Herzegovina
Shooting date: 7/2023
Category: Historical place
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