ヤイツェ兵舎/Jajce barracks

【シリーズ 世界の廃墟】

2023年7月某日、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボにあるヤイツェ兵舎の廃墟を訪れた。この場所はサラエボ滞在中、偶然に見つけた廃墟であり、休日を利用し訪れた次第である。

ヤイツェ兵舎は観光地として知られるラテン橋やその周辺から高台を見上げると、簡単に見つけることができる。
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上の写真、中央の雲の下に見える大きな屋敷のような建物がヤイツェ兵舎である。まるでバイオハザード(Resident Evil)に出てくる洋館のようだ。早速、Google Mapを片手にヤイツェ兵舎を目指す。
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ヤイツェ兵舎までは、住宅の間にある階段や坂道を登っていく必要がある。かなり急な道のりで、30℃を超える中、老体にムチを打ち、歩き進む。ちなみに道中にあったイエローフォートレス(黄色い要塞)という場所から見えるサラエボ市街は美しかった。
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ラテン橋から歩くこと30分。住宅地の中から目的のヤイツェ兵舎が姿を現す。
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遠くからでも存在感は十分に伝わってきたが、近づいてみることで、よりその大きさに驚いた。しかし、思った以上に状態は悪く、崩落している箇所も幾つか確認できる。またヤイツェ兵舎の壁には、複数の弾薬の跡が確認できる。これは1990年代に起きたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の爪痕である。
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ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、サラエボの市街で多くの犠牲がでた。今も街の至る所に弾痕や崩落した建物が残されており、ヤイツェ兵舎も例外ではないようだ。ちなみにヤイツェ兵舎は、紛争より遥か昔から存在し、100年以上の歴史がある。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、どのように利用されたか定かではないが、街を見渡せる立地や大きな建物は何かには使われたものと考えられる。
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これは是非、内部の調査を行い、紛争に関する情報を得たいところだが、兵舎は高いフェンスで囲われている。また思いのほか、住宅地にあるため、容易にフェンスを越えることができない。

入口のような場所も確認できたが、現在は完全に潰されているようだ。
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この辺りから経験上、侵入は難しいと思い始めたが、念のため広い敷地の外周を回って見ることにした。もしかすると、どこかに先人たちが築いた入り口があるかもしれない。
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こちらは市街地から見えた側のヤイツェ兵舎の様子。先ほどよりは幾分、人目に付かない場所であるが、塀はより高くなり、私には到底、上ることはできないだろう。

さらに進むと大きな門の隙間から、内部のようすが良く見える場所を発見する。
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敷地内は兵舎の建物だけではなく、かなり広いスペースも確認できる。これはフェンスさえ超えてしまえば、調査は容易と思われる。しかし、やはり気になるのは、ご近所さんの目だ。またインターネットで調べてみると、ヤイツェ兵舎は現在、サラエボ市の市有地のようだ。早朝にアタックすれば、まだ可能性はあるかもしれないが、今回は侵入を諦め、外部から可能な範囲で、その姿をカメラに収めることにした。
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私は30分ほど滞在し、ヤイツェ兵舎を後にした。廃墟探索において、たまに感知する侵入しちゃいけない系だったヤイツェ兵舎。かなり魅力的な廃墟であったので、内部の調査も行いたいところではあったが、仕方ない。これからも安全第一で、世界中の廃墟を訪れて行きたい。

最後に。
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後日、別の廃墟を訪れた際、遠くにヤイツェ兵舎が見えた。本当に美しい廃墟である。

おわり。

Jajce barracks

A beautiful ruined barracks see from the city of Sarajevo. The city-managed site is not easily accessible, but it is a very fine ruin.

Location: Sarajevo Bosnia and Herzegovina
Shooting date: 7/2023
Category: Abandoned Places
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