シュトルベルク宮殿/Pałac Stolbergów

【シリーズ 世界の廃墟】

2023年5月某日、ポーランドのヴロツワフにあるシュトルベルク宮殿の廃墟を訪れた。この廃墟はポーランド第四の都市ヴロツワフ郊外にあり、歴史的な宮殿が廃墟となって残されているとのことだ。今回、ヴロツワフの滞在に合わせて訪れた次第である。

こちらがシュトルベルク宮殿の最寄り駅の様子。
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中心街にあるヴロツワフ駅から、それほど離れていない場所にあるが、周辺には何もない無人駅である。ここから1kmほど離れた場所に目的のシュトルベルク宮殿がある。

早速、駅から歩き始め、閑静な住宅街を抜ける。1kmくらい進んだところで川沿いのサイクリングロードに出る。事前情報ではシュトルベルク宮殿も川沿いにあるらしいので、恐らく近くまで来たはずだ。
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サイクリングロードを100mほど進むと、シュトルベルク宮殿と思われる建物が現れる。しかし、現在いるサイクリングロードからは、太ももあたりまで伸びた草をかき分けて進む必要があった。GoogleMapのレビューには冬場のアタックが推奨されていたが、この事を言っているのだろう。
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足元がまったく見えない。時折り、溝に足を取られたりするので、十分に注意しながら進む。トラバサミでも仕掛けられていたら、即終了である。草をかき分け傾斜を上がると、シュトルベルク宮殿の外柵が見えてきた。
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柵の一部は諸先輩方によって破壊されていた。また侵入を禁止する看板はなかったので、ここからお邪魔することにした。そして、こちらがシュトルベルク宮殿のようす。
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かなり雰囲気のある佇まいである。日本人がイメージする宮殿とは少しグレードダウンな感じもするが、ヨーロッパの中には王族や貴族が住んでいた宮殿が各地に残されている。この規模の宮殿も決して珍しくない。また地方にある宮殿でも、綺麗に整備され観光スポットになっている建物もあるが、シュトルベルク宮殿のように廃墟になってしまった宮殿も多く残されている。

侵入したこの場所はどうやら裏手のようだ。内部の様子も確認できないので、周回してみると、何だか建物内に入れそうな扉を発見する。
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近づいてみると、扉はチェーンで施錠されており、押すことで多少の隙間はできるものの、決して人が通れるスペースではない。また扉の鏡板の部分が外されていたが、こちらはまた絶妙に通れそうもない。
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体がつっかえてしまえば、まさにクマのプーさん状態。そして、こんな廃墟に来るはずもないクリストファー・ロビンを一生待ち続けることになるだろう。

この扉からの侵入は諦め、他の入り口を探してみることにした。
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相変わらず草は生い茂っている。東南アジアの廃墟探索ではヘビやヤケド虫など注意が必要になるが、それに比べるとヨーロッパでは草に足を突っ込むことに抵抗はないものの、注意は必要である。

侵入してきた柵から、ちょうど反対側にきた。
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どうやらシュトルベルク宮殿の玄関のようだ。エントランス部分の階段はかなり傷んでいたが、建物全体は、それほど損傷はないようだ。早速、玄関の扉に手をかけるも、こちらにはしっかりと板が打ち込まれており、ビクともしない。
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しかし、玄関の横にある窓が開いている。これは激熱演出である。早速、玄関から外壁を伝い、窓から無事に建物内へ侵入成功。しかし、内部の様子はこんな感じであった。
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てっきり、宮殿の応接間みたいなところに出れると思ったが、部屋などはなく、瓦礫の山であった。外壁はしっかりと残っていたが、内部はかなり悲惨な状態であった。しかも私が侵入したことにより、絶妙に保たれていた建物が崩れ、1メートルくらいの木材が次々と頭上に降ってくる。

これはかなり危険な状態である。とりあえず、これ以上建物に刺激を与えないよう慎重に奥へと進むと広いスペースにでる。そしてシュトルベルク宮殿内部の全貌が姿を現す。
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私が今立つ場所を取り囲むように外壁と一部の部屋だけを残し、見事に中心部だけが倒壊していた。隕石でも落ちてきたのかと思うような崩れ方をしているが、恐らく最も天井が高かった中心部がその重みに耐えられず、崩れ落ちたと考えられる。
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正直、この状態で外壁があれほど綺麗に保たれている廃墟を今まで見たことがない。とりあえず、いくつか残されている部屋を探索してみることにした。
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この辺りは中心部に比べると、かなり状態は良いのだが、床が抜けている箇所もあり、危険な状態には変わりないようだ。特に当時を感じさせる物などは残されていなかったが、ドアや窓枠の作りなどは、かなり歴史を感じさせる。
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ちなみにシュトルベルク宮殿は1845年に建てたられたネオゴシック様式の宮殿ある。ベルンハルト・ヨーゼフ・フォン・シュトルベルク=シュトルベルク伯爵という宮殿よりも長い名前の伯爵によって建てられた。第二次世界大戦後には国有農地の一部となり、従業員たちの宿舎として使われていた歴史もあるようだ。
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冒頭にも説明させて頂いたが、このような宮殿の中には今でも美しい姿で残されており、入場料をとって観光客が集まるような場所がある。その一方で、シュトルベルク宮殿のように華々しかった頃からは想像もできないほど枯れてしまった宮殿も多く残されている。探索させて頂いている身としては何とも言い難いところだが、近代的な廃墟とは違う哀愁のようなものを感じてしまう。

私は1時間ほど滞在し、シュトルベルク宮殿を後にした。
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今回のヴロツワフ滞在で、最も訪れてみたかったシュトルベルク宮殿。しかし想像以上に状態は悪く、久々に命の危険を感じる廃墟探索であった。またかなり狭い瓦礫を進んだせいで、探索が終わった頃には真っ白な姿になっていた。兎にも角にも久々に高カロリーな廃墟探索は楽しかった。

おわり。

Pałac Stolbergów

Ruins of a palace on the outskirts of Wroclaw. The condition inside is quite bad and dangerous. You also need to be careful of falling objects.

Location:Wrocław Poland
Shooting date: 5/2023
category: Abandoned Places
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