カトヴィツェの車両基地廃墟／Katowice depot ruins

【シリーズ世界の廃墟】

2023年5月某日、ポーランドのカトヴィツェにある車両基地の廃墟を訪れた。この廃墟はカトヴィツェのメイン駅の近くにあり、滞在中、たまたま見つけた場所である。インターネットでは多少情報が確認できるが、どのような状態かは現場に行ってみないとわからない。とりあえず休日を利用して訪れた次第である。

こちが車両基地の廃墟へと続く道である。

不法投棄とグラフィティに溢れている何だか近寄りたくないゲートである。駐車場のようなスペースになっているが、中に入っていくのは昼間から鼻を赤くした、ご機嫌なお父さんたちだけ。なんだか不安ではあるが、とりあえず中へと進む。

この道を進み、線路を横断したところに目的の廃墟はある。ちなみに正式な交通ルールかは知らないが、日本とは違い線路を横断することは問題ないようで、人々が線路を行き来する光景をよく見かける。

線路を渡り、数十メートル進むと車両基地の廃墟が姿を現す。

廃墟好きとしては、かなり良い面構えである。緑化が進んだ中に佇む荒廃した建物。それに花を添えるように描かれたグラフィティ。天気の良さも重なり、これはなかなか良い探索ができそうだ。

ちなみに最初に接触したこの場所は転車台である。ここで収容する列車を回転させて、複数ある車両基地の入り口から列車を仕舞っていく。転車台はすっかり錆びていたものの、元は列車を乗せていた機械。太ったおじさんが乗って何も問題はなかった。

転車台を進み、先にある車両基地へ向かう。

しかし、車両基地の入り口は施錠されており、中に入ることはできない。インターネットの情報では基地内の写真もいくつか確認できたので、別の入り口を探すことにした。何よりこの緑化した線路が美しかった。

転車台のある位置から建物の反対側にあたる場所に移動してみた。

こちらも窓やドアはコンクリートで塞がれており、中に入ることはできなかった。窓ガラスが割れている箇所もあったが、小さすぎて、私が入る余地はなさそうだ。基地内の侵入を諦めようとしたが、GoogleMapの衛星画像を確認すると、数十メートル先に、同じ形の車両基地が、もう一つあるようだ。そちらが解放されている事を祈り、移動する。

移動の最中も横には車両基地に関連する廃墟がいくつか残されていた。こちらも全ての入り口が塞がれていた。カトヴィツェのメイン駅から徒歩圏内のため、土地がら侵入者への対策も怠っていないようだ。

何だか井戸みたいな物もあったりする。

一つ目の車両基地から100メートルほど歩くと、もう一つの車両基地が見えてきた。

こちらにも転車台があったが、手前の操作室は先ほどの方がカッコよかった。さらに、こちらの転車台は足元がスカスカで高さもあり、ちょっと怖かった。

転車台を超え、車両基地の入り口を確認するが、やはり入ることができなかった。最後の望みを託し裏手へ周ってみる。とは言え、この時点で雰囲気的にもう駄目な感じがしていた。

しかし、廃墟探索の終わりは別の形で、突如現れる。この角を曲がれば、車両基地の裏手に周れるというところで、警備員のおじいちゃんが登場する。おじいちゃんは怒っている様子はなく、優しく口調で『ダメだよー』と注意し、私を出口まで誘導してくれた。大人しく彼の後へと続く。なんだか久々に廃墟探索で見つかってしまった。

私は30分ほど滞在し、この廃墟を退場した。

とても興味深い廃墟であったので、内部調査を行いたいところではあったが、こればかりは仕方ない。後日、GoogleMapの衛星画像で確認すると、私がいた付近は鉄道会社の敷地内のど真ん中であった。そりゃ、あんな所を歩いていたら見つかるなと大いなる反省。

これからも安全と共に、人様に迷惑をかけない程度に廃墟探索を楽しんでいきたい。

おわり。

Katowice depot ruins

Ruins of a depot near Katowice station. It's not easy to get inside, but it's a beautiful place to just look at from the outside.

Location:Katowice Poland
Shooting date: 5/2023
category: Abandoned Places

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