発電所の冷却塔廃墟/I.M. Cooling Tower

【シリーズ 世界の廃墟】

2017年9月某日。
ベルギー・シャルルロワにある火力発電所の冷却塔廃墟へ行ってきた。

シャルルロワはベルギーの南東に位置し綺麗な街並みが印象的な小さな街である。

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こんな素敵な街に廃墟マニアなら誰もが知る、火力発電所の冷却塔廃墟(通称「I.M. Cooling Tower」)がある。
この廃墟は世界四大廃墟のひとつとも言われている。

早朝5時__。
「廃墟とゴルフは朝一に限る」がモットーの私、シャルルロワの駅前から南西、冷却塔廃墟へ向けて歩き始めた。

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素敵な駅前も流石にこの時間は誰もいない…。
気温は5℃…9月ながら寒さ厳しいスタートだ。

歩くこと30分__。

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街並みが少し変わり電車の車庫や工場が増えてくる。
今回の旅では立ち寄らなかったがシャルルロワには有名な車庫の廃墟があるそうだ。

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ダウンタウンに入り空家と浮浪者がポツポツと現れてきた。

さらに30分ほど歩く___。

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遠くにそれらしい建築物が見えてくる。
ここからは道路の舗装も甘く、人が滅多に通っていないことを感じさせる。

そしてついに冷却塔が全貌を明かした。

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渡航前から色々と情報を集めていたので、『思ったより大きい』や『綺麗な状態だ』とは正直思わなかった…。
感覚としてはテレビに出ている有名人にでもあった気分だ。

しかし廃墟探索の運命を握るのはココからだ。
高い壁や有刺鉄線で侵入者を防ぐ対策がとらている可能性がある。

実際に今回の旅でもフランスにある製粉工場廃墟への侵入をあきらめた経緯があったので不安を抱えながら近づくと………。

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………まさかの石4つのバリケード。
これだけ有名な廃墟だと侵入者も多くフェンスなどを設置しても、すぐに壊されるのだろう…。
自治体の諦めた感が露骨に現れていた____。

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さすがにここまで近づくとその大きさに驚いた。
そして入り口がある裏手へ回る__。

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何だこのカッコよすぎる入り口は……。
工業廃墟で、これほど美しい入り口は他にあっただろうか。

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しかし、ここに来て一点の不安が生まれる。
入り口に扉が設置されていることだ。
情報では扉はなかったはず・・・これは入れないかもしれない。

幅の狭いコンクリートの階段をあがり、扉に手をかけるとを重い扉がゆっくりと開けた__。

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圧倒的な存在感と生を感じさせない閑散とした空間。
まるで宇宙船にでも潜入した気分である…。

ちなみに入り口の扉は少し開けておいた。

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侵入がバレないように本来は閉めておきたいところだが、あまりにも頑丈な鉄の扉だったため、「内側から開かないのでは!?」という不安がよぎったからである。

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中の空気は清々しいとは行かずとも非常にクリアである。
元々は蒸機を外に逃がすための施設であるため空気の循環を良いのだろう…。

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何があるわけでもない空間だったが1時間ほどシャッターを切り続けた。
実はこの建築物は2015年くらいから解体の話がでているため、もうここを訪れるのは最後だろうという気持ちでいた___。

さらに隣接するタンクにものぼってみた…。

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結局、タンクの中が真っ暗で何も発見はなかった。
ただこの階段が怖かった__。

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探索から1時間30分ほどで冷却塔廃墟を後にする。

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今回のヨーロッパ旅の目玉の一つでもあった廃墟に来られたことに感動しながら、シャルルロワの街へと戻っていた道中、日本語を絶妙に操る黒人につかまりマリファナを勧められる__。

朝8時の街中でマリファナって……恐るべしヨーロッパ旅。

I.M. Cooling Tower

Location: Charleroi Belgium
Shooting date: 09/2017
category: abandoned places
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