死者の街-スラム編-/City of the Dead: Slum
【シリーズ 世界のスラム街】
2023年3月の某日、エジプトのカイロにある「死者の街」と呼ばれる場所を訪れた。死者の街は以前、別の記事で紹介したのだが、カイロの東に位置する700年以上の歴史を持つ墓地である。そんな死者の街は、墓地でありながら、主に貧困層の方が住んでいる場所でもある。
死者の街には多くの建物が並び、その敷地内にお墓が収められている。道路に面した個所には門などもあり、まるで家のようにも見える。死者の街に住まれている方たちも、どうやらその敷地内に住んでいるようだ。
彼らがここに住むようになったのは、その昔、カイロ市街で住宅不足が起きた際に、貧困層を中心に都市部から追い出される形で、死者の街で暮らすようになったそうだ。早速、死者の街を探索してみる。
こちらは死者の街でも大きな通りの一つである。ご覧のとおり、道路もしっかりと整備されており、車も確認できる。一見すると墓地にもスラムにも見えない。
建物の上を見ると、電柱替わりのドラム缶があった。どうやら死者の街には電気が通っているようだ。また建物の中には2階建てに増築された物もあり、年季の入ったその姿からして、彼らが長い月日、この場所に住んでいることが分かる。
また死者の街には、食品や日常品を扱う小さな商店や自動車の修理工場などがあった。他の国のスラムでも良く見られる光景ではあるが、この死者の街にもある程度のビジネスはあるようだ。
次に住人の方たちの様子についてだが、訪れたのは平日の日中。多くの方が外に出ており、座り込んでいたり、談笑をしていたりと様々である。主にご老人や小さな子供を抱いたお母さんたちが多く、私が挨拶すると笑顔で答えてくれる人が多かった。
観光地としても人気の死者の街。外国人が出入りすることに、それほど警戒心がある様子もなかった。
引き続き、探索しているとある物を発見する。
浄水器である。こちらはカイロ市街でも良く見かけるものだ。30℃を超える暑さの中、私の喉はカラカラだ。近くにいたお母さんに許可を取り、コップ一杯の水を飲ませていただく。ほんのり冷えており、美味しい水であった。
その後も迷路のように入り組んだ道を適当に周り、様々な景色を写真に収めていく。
死者の街では多くの子供たちが声をかけてくれた。私は日本から持参したカントリーマアムをあげた。最近はヨーロッパの国に行くことが多く、あまりカントリーマアムを配る機会がなかったので、久々に良いコミニュケーションを取らせて頂いた。
私は2時間ほど滞在し、死者の街を後にした。カイロでは中心街にも多くの貧困層の方が住んでおり、それほど死者の街とのギャップを感じることはなかったが、中にはお金を求めてくる人もいたので、生活が苦しいのは事実のようだ。
それでも明るく接してくれる方が多く、とても良い経験となった。そしてアパートに帰ってから24時間後、強烈な下痢に襲われたことも良い経験であった。
おわり。
City of the Dead: Slum
Cemetery slums on the outskirts of Cairo. The people of the town were very kind and there were no problems. Nor did I feel any danger. The city was clean and sanitary.
Location: Cairo Egypt
Shooting date: 3/2023
Category: Slum
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