クロアチア紛争博物館/War Museum Dubrovnik
【シリーズ 世界の博物館】
2022年10月某日、クロアチアのドゥブロブニクにあるクロアチア紛争博物館を訪れた。
この博物館は1991年から1995年に起きたクロアチア紛争の被害を写真や実物の品などを通し、後世に伝えるための場所であり、土地柄、多くの観光客が訪れるクロアチアでは有名な博物館である。クロアチア紛争博物館は旧市街地を見渡すスルジ山の頂上にあり、古くは要塞として使われていた場所である。またクロアチア紛争でもドゥブロブニクの防衛ラインとなっていた。
こちらがスルジ山の頂上まで登れるロープウェイである。
チケットの値段は片道110クーナ(約2,200円)とクリティカル観光地プライスである。往復チケットも購入することができるが、帰りは徒歩で下山することにした。
ロープウェイはものの数分で、スルジ山の頂上に到着する。
頂上から見える旧市街地の様子は、ドゥブロブニクで最も有名な景色の一つであり、多くの観光客がその美しい景色を背景に記念撮影を撮っていた。私も適当に撮影を済ませ、目的のクロアチア紛争博物館を目指す。
歩くこと数分。博物館前に到着する。
かなり雰囲気のある門構えだ。さすが要塞として使われていた場所である。外観でも十分に見ごたえはあるが、早速、入場30クーナ(約600円)を支払い、館内へと入る。こちらはかなりお手頃な価格で助かった。
館内は年季を感じさせる石造りであり天井も低く、どこか重苦しい雰囲気がある。展示スペースは、それほど大きくないようだが、ここには約500点の展示品が並んでいるとのことだ。
その展示品の多くは、クロアチア語と英語によるパネルでの説明と、当時のドゥブロブニクの街や市民たちの様子を紹介する写真であった。その生々しい内容はとても恐ろしいものであり、私が1か月ほど滞在しているドゥブロブニクの悲惨な姿には胸に突き刺さるものがあった。
クロアチア紛争は旧ユーゴスラビアから独立したクロアチア共和国に対し、それを反対するセルビア系の住人や、それをバックアップしたユーゴスラビア軍との間で起きた紛争である。世界でも有数の美しい街として知られるドゥブロブニクの街も容赦なく爆撃されたとのことだ。
クロアチア人にとっては、最も重要な歴史のひとつであるクロアチア紛争の悲惨や残忍さは、展示されている写真で十分に伝わってきた。その他にも当時使われていた武器や兵器の展示が館内には並ぶ。
現在も一方的な思想や行動により、隣国同士が争いを続けているが、結局のところ戦争というのは無数の被害を生むだけであり、お互いにとってメリットは決してないと思う。
最後に博物館の屋上へと上がり、私はクロアチア紛争博物館を後にした。
今回、ドゥブロブニクを含め、2か月ほどクロアチアに滞在したが、親切な方が多く、私の最も愛する国となった。この滞在において、クロアチア紛争の歴史を知る機会も多く、とても意味ある滞在であった。現在の平和は過去の悲しき戦いの中で成り立っていると思う一方で、いち早く世界で行われている全ての争いが終わることを心から願っている。
帰りはスルジ山の登山ルートを辿って下山した。想像以上に長い道のりで、砂利道は滑りやすく結構大変であった。登りは到底無理だったと思うが、ケチらずに素直に往復チケットを購入すれば良かったと後悔が残った。
おわり。
War Museum Dubrovnik
A museum about the history of the Croatian conflict in the mountains of Dubrovnik. I think it's a must-see place for tourists because you can learn about Dubrovnik's tragic history.
Location: Dubrovnik Croatia
Shooting date: 10/2022
Category: Historical place
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