大学病院の廃墟/Abandoned University hospital

【シリーズ 世界の廃墟】

2022年9月某日。
クロアチアの首都ザグレブにある大学病院の廃墟を訪れた。

この廃墟は1980年代後半に建設が進められ、多額の費用が用いられたが、40年以上経過した今でも完成には至っていない。そんな大学病院の廃墟は現在、どのような状態になっているのか気になり、ザグレブ滞在中に訪れた次第である。

こちらが大学病院の廃墟までの道のり。
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ザグレブ中心街より、サバ川に沿って上がって行くと目的の廃墟があるようだ。ちなみに写真では少し寂しい風景に見えるが、近くにはショッピングモールや集合住宅などもあり、なかなか良さげな場所である。
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引き続き川沿いを歩く。時より、何かを警告するような看板はあったが、クロアチア語で書かれているため何を示すものかは分からなかった。しかし、犬の散歩をする方もいたので、立ち入り禁止という訳ではなさそうだ。

そして中心街より1時間ほど歩いたところで、巨大な建造物が姿を現す。
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まるで近未来の世界で描かれるようなビルだ。場所から察するに、目的の大学病院の廃墟で間違えないようだ。ここからの眺めでも、その大きさを十分に感じさせてくれる。これはなかなか面白い探索になりそうだ。早速、建物に近づいてみる。
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外壁の多くは剥がれ落ちていたが、どうやら全面ガラス張りの建物だったようだ。この病院がもし完成していたのなら、その外観はとても輝かしいものであっただろう。

適当に入れそうな箇所を探す。
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建物に近づいて分かったのだが、予想以上に建設が進んでいないようだ。確認した限りでは、侵入したこちら側には玄関口の様なものは見つからなかった。結局、少し段差のある階段のような場所をよじ登り、無事に建物内に入ることができた。
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内側から見る外壁の様子も美しかった。ちなみ写真に写っている建物が横に5つほど連なっており、侵入したこの場所からでも、この病院がどれだけ大きな施設かが分かる。これは内部の調査には、かなり時間が掛かりそうだ。あまり早い時刻に来ていなかったので、ゆっくりと滞在している時間はない。早速、奥へと進む。
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やはり外観以上に内装は建設が進んでいないようだ。柱や天井、ダクトなどは剥き出しの状態であった。しかし、この廃墟で一つ気になることがあった。本来、ガラス窓や玄関扉などは最後に設置されることが多い。そのため、建設が頓挫した系の廃墟ではガラスが割れているなどは無い。しかし。この大学病院は、既に外壁のガラスや窓ガラスが入れられていたようで、足元にはそれらが大量に散乱していた。
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建設に精通している訳ではないので、詳しくは分からないが、もしかするとガラス張りの建物は先にガラスが設置されるのかもしれない。しかし、後の作業で機材などを入れる際に邪魔になったりしないのだろうか。考えても分からないので、とりあえず調査を進める。

続いて、別の建物と連結している渡り廊下のような場所を発見する。そこから今入ってきた建物を見上げる。
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素晴らしい迫力である。ここだけ見ると病院の廃墟というよりは、大きな街の廃墟のようにも見える。ちなみに左手はこんな感じである。
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こちらは入ってきた建物よりも遥かに建設が進んでなく、コンクリートの基礎以外は何もなかった。最初は駐車場か何かだと思ったが、あまりにも広いので、その可能性は低いと思う。

もう一度、入ってきた建物に戻る。するとエレベーターと思われる扉を発見。
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かなり大型のエレベーターのようだ。恐らくストレッチャーなどが入る病院仕様のものだろうか。もちろん起動していないが、箱もまだ設置されていないようだ。

引き続きグランドフロアを調査していると、今度は階段を発見する。
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状態も悪くなさそうなので、この階段を使って上のフロアへ移動することにした。しかし、この階段が上るには隙間が広く、足が簡単に落ちてしまう。階段というより鉄骨を渡るような感じで慎重に上のフロアを目指す。
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そして階段を上がったフロアの様子がこちら。
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グランドフロアと同様に特に病院を感じさせる何かは残されていないようだ。外壁も、そのほとんどが骨組みの状態であり、ガラスも無い。上のフロアへ上がるに連れ、恐怖心が増す。
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また上のフロアに来たことで、この病院の全体像が見えてきた。
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入ってきた建物だけでも、かなりの広さであったが、その数倍にあたる敷地面積がありそうだ。恐らく、私が今まで訪れた廃墟の中でも最も広い廃墟であろう。Webサイトで調べてみると、この病院は数百億円近くの予算を投じ、建設が開始されたものの、様々な事情が重なり、現在は計画が中断されている状態のようだ。

また近年では、EUから数億ユーロの融資を受け、建設が再開されるという話も出ているようだが、いまだ建設が進んでいないのは確かである。ちなみに敷地内の一部は企業の倉庫などとしても使われているようだ。

その後も時間が許す限り、敷地内を探索し、その姿を写真に収めていく。
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私は2時間ほど滞在し、大学病院の廃墟をあとにした。
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首都ザグレブの市街地から歩いて行くことができる大学病院の廃墟。これだけ広大な廃墟を探索できたのは、良い経験であった。頓挫系の廃墟ということもあり、当時のものは何もない状態であったが、近代的な建物に描かれたグラフィティや割れたガラスなど、とても魅力的な廃墟であった。

これからも世界中の廃墟を訪れていきたい。

おわり。
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Abandoned University hospital

The abandoned University hospital on the outskirts of Zagreb. A large amount of glass is scattered on the site, and it is in a dangerous state. There are no plans to rebuild it yet.

Location: Zagreb Croatia
Shooting date: 9/2022
category: Abandoned Places
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