失恋博物館／Museum of Broken Relationships

【シリーズ世界の博物館】

2022年9月某日。
クロアチアのザグレブにある失恋博物館を訪れた。

この博物館はザグレブの観光名所として知られる聖マルコ教会の近くにあり、失恋をテーマとした展示物が並ぶ珍しい博物館である。今回、一か月ほどザグレブに滞在する機会があったので、世にも珍しいこの失恋博物館を訪れた次第である。

失恋博物館は市街地の小高い丘の上にあり、そのふもとにはザグレブでも有名なこんな物がある。

ケーブルカーの駅である。このケーブルカーは丘のふもと頂を結ぶものであり、写真から分かるように、とても短い距離を往復するだけである。この短さは公共の交通機関としては世界一短い距離であり、ギネス世界記録にも登録されているとのことだ。

ケーブルカーは朝から夜まで10分おきに往来しているようだ。料金は片道5クーナ（約100円）で乗車できるが、Urgent ridesは25クーナ（約500円）と書いてあるので、500円を出せばいつでも出発してくれるのかもしれない。

あまりにも短い距離なので、ケーブルカーの横にある階段を使っても所要時間はそう対して変わらない。私も階段を使って丘を登る。そしてこちらが失恋博物館の様子。

歴史を感じさせる素敵な建物である。私は平日に訪問したが博物館には多くの観光客がいた。どうやら近くの聖マルコ教会と同様に人気の観光スポットらしい。

ちなみに失恋博物館の横には素敵なカフェもあったりする。

ヨーロッパの博物館には小さなカフェが併設していることもあるが、これほど素敵なカフェがあるのも珍しい。コーヒーでも頂きたいところだが、またの機会ということで…さっそく入場料の50クーナ（約1000円）を支払い、失恋博物館の館内へ。

それほど大きな展示スペースではないが、館内は白を基調とした素敵な空間で、所せましと展示物が並ぶ。

ちなみに失恋博物館に展示されている物は世界各国のカップルの思い出の品や破局のきっかけとなった物が並んでいる様だ。

展示物の横にはクロアチア語と英語で書かれたプレートがあり、国や時代、展示物にまつわるエピソードなどが書かれている。

写真の自転車はベルギーのダニエルさんから寄贈されたものである。説明は詩のような英語で、理解するのが難しかったが、彼との思い出の品らしい。

何だか日本でお馴染みのキャラクターのフィギアなんかもあったりする。

このゴジラはメキシコの男性がガールフレンドからプレゼントされた物で、その後、彼女とはすぐに別れてしまった。しかし、ゴジラは自宅に飾り続け、新しいガールフレンドから送られるネックレスやイヤリングを掛けるアクセサリースタンドとなったらしい。

この博物館にある物はもちろんノンフィクションであるだろうが、何だかゴジラの行く末が妙にリアルで面白い展示である。

その他にも世界各国から集められた展示物は、時代や品物に囚われず面白いものばかりだ。中にはちょっと刺激的な物もあったりする。

また欧米に比べると展示数は少ないが、日本からの展示物もいくつか確認できた。

上の羽織は東京の女性から贈与されたもので、結婚式で旦那さんが着ていたものらしい。旦那さんは恐らく戦争で亡くなってしまったが、彼女はこの羽織を戦時中も手放さなかったとのことだ。この羽織の様に戦争で失われた恋を通し、世界平和を願う展示物も幾つかあった。

その後も失恋博物館をGoogle翻訳片手に巡り、その変わった展示物をカメラに収めた。

私は1時間ほど滞在し、失恋博物館を後にした。

ザグレブの観光でも人気のある失恋博物館。恋愛にも失恋にも遠い私だが、興味深い展示品が並び、多くの人が訪れる理由が分かったような気がする。これからも世界の面白い博物館へ巡っていきたい。

おわり。

Museum of Broken Relationships

A popular museum in Zagreb. The different exhibits are very interesting.

Location: Zagreb Croatia
Shooting date: 9/2022
Category: Amazing place

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