メテルコバ/Metelkova
2022年9月某日。
スロベニアのリュブリャナにあるメテルコバという場所を訪れた。
この場所はリュブリャナの中心街にあり、近くには国内外の移動には欠かせないリュブリャナ駅がある。このメテルコバという場所はスロベニアが旧ユーゴスラビアに属していた時にユーゴスラビア国軍のスロベニア本部として使われていた場所である。1991年に独立を果たした後は自由や非暴力運動を訴える活動家やアーティストたちによって不法に占拠された。
その後も退去を巡り、政府と活動家たちの間で、かなり揉めたとのことだ。果たして現在はどのような場所となっているのだろうか。
こちらがメテルコバの入り口付近の様子。
何だか敷地の外からでも爆発した芸術性が垣間見える。
早速、中へと入ってみる。入り口付近には数名の女性が立っていたが、私に視線を送ることはなかった。また数名の観光客と思われる方もいたので、敷地内へは特に緊張感もなく入ることができた。
そしてすぐにメテルコバの独特な風景が目に入ってきた。
複数ある建物には隙間なくグラフィティが描かれていた。かなり凝ったイラストなどもあり、素人ながらもその芸術性の高さを感じた。建物自体は恐らくユーゴスラビア国軍が使っていた頃の兵舎だと考えられる。
敷地内にあったトイレにも隙間なくグラフィティが描かれていた。
またイラストの他にもアートな造形物も幾つかあった。
どの作品もインパクトがあり、ネガティブなエネルギーを感じるものばかりであった。これらの作品がユーゴスラビアからの独立後に活動家やアーティストたちによって作られたものであれば、戦争の残虐性や非情さを表現しているのかもしれない。
これもアートなのかもしれない。
さらに遊具の様な建造物やベンチなど様々なものが敷地内にはあったが、どれもメテルコバ仕様となっていた。
標識もクールである。
そんなメテルコバで気になることが一つあった。それは何だか強面のお兄さんがたくさんいることだ。正直、他の観光客がいなかったら、どこのスラムより恐ろしい雰囲気と化すほどの迫力のある方たちだ。
分かりにくい写真で申し訳ないが、上の写真の左側に写っている犬を連れた男性は、地面に靴などを並べ露店を開いていた。また彼ら同士はコミュニティをもっており、お互いに挨拶を交わしていた。ユーゴスラビアからの独立後は活動家やアーティストたちに不法占拠されたとのことだが、彼らがその人たちなのだろうか。強面過ぎてそんなことを確認する勇気は私には持ち合わせていなかった。
しかし、彼らも特に観光客に何をするでもなく、日常を過ごしていた。私は引き続き、メテルコバ内を写真に収めていく。
私は30分ほど滞在し、メテルコバを後にした。
まるで夢に出てきそうな異空間メテルコバ。様々な国で変わった場所や建物などを見てきたが、ここは決して忘れることはないだろう。後日インターネットで調べて分かったのだが、現在もメテルコバは多くの芸術家や音楽家の活動の場所として使われており、また同性愛者たちが集うクラブイベントなんかも開催されている。
メテルコバは今なお、自由の象徴的な場所であるようだ。
おわり。
Metelkova
Cool place in Ljubljana city. The place, full of art, has a deep history. It is still known as a place of freedom.
Location: Ljubljana Slovenia
Shooting date: 9/2022
category: Amazing Place
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