ベルビューホテルの廃墟/Hotel Bellevue
【シリーズ 世界の廃墟】
2022年9月某日。
スロベニアの首都リュブリャナにあるベルビューホテルの廃墟を訪れた。
この廃墟はリュブリャナの中心街の西側に位置するティヴォリ公園内にある。今回、短い滞在期間であったがリュブリャナを訪れる機会があったので、立ち寄ってみることにした。
リュブリャナ最大の敷地面積を誇るティヴォリ公園には、美しく整備された遊歩道や17世紀頃に建てられたチボリ城などがある。
あいにくの天気だったため、少し寂しい景色に見えるが立地のよさもあり、平日でも多くの市民や観光客で賑わう場所である。
園内を歩くこと20分。GoogleMapによると、この辺りにベルビューホテルはあるはずだ。
恐らく当時、ホテルで使われていたと思われるガゼボを超えると目的のそれが姿を現す。
草木が生い茂るその先に建物が確認できる。今までにいくつかのホテル廃墟を訪れてきたが、ここはまた雰囲気の良い場所である。
敷地は2mほどのフェンスで囲まれているものの、正面の一部が破壊されており、そこから中へ入ることができた。
こちらが敷地内から見たホテルの外観である。
緑化が進んでいるものの、建物の状態はそれほど悪くないようだ。恐らく近年まで営業していたものと考えられる。それほど広いホテルではなさそうなので、探索することはそれほど難しくはないだろう。
何だか変な骨が落ちてるのは少し気になるが……。
本丸を攻める前にまずは近場にあった離れから入ってみることにした。
中の様子はこんな感じである。
中央に不自然におかれた椅子が不気味であるが、とくに狭い空間に当時を感じさせるものはなかった。何よりゴミの量が凄い。立地から察するに恐らく若者のたまり場やホームレスの寝床として使われてきたと考えられる。
続いてメインの建物の調査を行うため、再び入り口付近へと戻る。
こちらがベルビューホテルのメインエントラスである。
玄関を塞ぐように伸びた草木と悪天候が重なり、廃墟マニアの心をくすぐる素晴らしい雰囲気である。階段を上がりホテル内へと入る。
内部は思った以上に何もなかった。外観から察するに、もう少し状態の良い廃墟と思っていたが、内壁もほとんど剝がれていた。恐らく廃墟となってから火災があったのだろう。廃墟では若者やホームレスたちの火の不始末による火災は日本も世界も良くあることだ。
光の届かないホテルの中心部では、ほとんど先が見えない状態である。また床の一部は抜け落ちていたので、調査には十分な注意が必要であった。
階段を発見したので上のフロアの調査へと進む。ちなみに別の階段で地下にも行けたが、お先が真っ暗すぎたので調査は断念。
こちらが上のフロアの様子。
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衣服を中心にたくさんのゴミで溢れていた。そして真新しいゴミの臭いを感じだ。恐らく現在も誰かの棲家となっているようだ。天候から考えると住人は外出していない可能性もある。遭遇だけは避けたいところだ。
慎重に上のフロアを調査するとベッドルームを発見。
結局、住人と遭遇することはなかったものの、ベッドの状態や周りに置かれた物、窓をビニール袋で塞いでいることから間違えなく人は棲みついているようだ。
最後にグランドフロアに戻り、テラスの調査をする。
それほど広い空間ではなかったものの、恐らく当時はテーブルなどが置かれカフェテラスとして使われていたのかもしれない。
私は1時間ほど滞在し、ベルビューホテルの廃墟を後にした。
もう少しホテルを感じさせる空間であれば良かったが、雰囲気のある佇まいと誰かが棲みついている確定演出により、緊張感のある調査であった。これからも素敵な廃墟を安全に訪れたい。
おわり。
Hotel Bellevue
Ruins in the center of Ljubljana. The atmosphere is very good, but the deterioration is severe, and sufficient attention is required for investigation.
Location: Ljubljana Slovenia
Shooting date: 9/2022
category: Abandoned Places
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