フェレンタリ地区/Ferentari

【シリーズ 世界のスラム街】

2022年8月某日。
ルーマニアのブカレストにある'フェレンタリ地区'というスラム街を訪れた。

この地区はブカレストの6つに分かれたセクターのセクター5にあたる場所で、もともとは工業地帯として知られていたが、近年では薬物の売買や売春の拠点となっているとのことだ。またブカレストの市街でたまに見かけるロマ族の方たちが多く住んでいるエリアだ。

今回、ひと月ほどブカレストに滞在する機会があったので、フェレンタリ地区を訪れようと計画していたのだが、ブカレスト滞在において、不安点があったため訪問を躊躇してしまった。

その一つがブカレスト全体の治安である。他のヨーロッパの都市部とは異なる独特の雰囲気があるブカレスト。街の至る所に廃屋があったり、街の中心駅にはたくさんのホームレスや物乞いがいたりと、何だかフィリピンのマニラを思わせる雰囲気のある街であることだ。

さらに思いのほか東洋人が目立つことだ。街を歩いていると、かなりの頻度で私を見てくる人がいる。これは西ヨーロッパや北欧ではあまり感じない視線だ。決して何かをされた訳ではないが、この視線はスラム街に行った時に、より強いものとなるため、注意が必要である。

結局、滞在の最終週まで行く決心がつかず、ギリギリの訪問となった。何とか無事に生還できたので今回、記事にすることにした。なお、かなり悪い環境での調査だったため、あんまり中身のない記事である事を予めご了承いただきたい。

ここがフェレンタリ地区の最寄り駅である。

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ここから南西に2kmほど下ったところにフェレンタリ地区がある。駅周辺は比較的に安全なセクターとそれほど変わりはないが、この場所もフェレンタリ地区と同様、セクター5にあたる場所である。

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ここからは徒歩でフェレンタリ地区を目指す。そんなに危険な雰囲気ではないが、辺りに注意しながら進む。

30分後。とくに問題なくフェレンタリ地区に到着する。そして私の目の前に驚愕の光景が広がる。

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何ということか、他のセクターと何一つ変わらない様子。しかもフェレンタリ地区の入り口には、ヨーロッパでお馴染みのスーパーマーケット'Lidl(リドル)'がある。

これはここ数年で治安が劇的に改善されたパターンのスラムかもしれない。とりあえずリドルで菓子パンとコーラを購入し、引き続き調査を進める。ちなみに店内の様子も何一つ変わらない感じであった。

続いてフェレンタリ地区内にある公園へと向かった。

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とても綺麗に整備された公園である。平日の昼間ということもあり、人はまばらであったが、子供たちは楽しそうに遊んでいた。私もベンチに腰をかけ、菓子パンを食べる。子供たちも私には特に興味はないといった感じである。

次にフェレンタリ地区で最も危険と言われている'Aleea Livezilor Buildings(アリーア・リヴジロール・ビル)'というアパートに行ってみる。

私がいる公園は複数の集合住宅に囲まれた日本の団地の様なエリアである。そしてこの集合住宅地の最も奥に鎮座するアリーア・リヴジロール・ビルが薬物売買や売春で有名だとの事だ。

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この道の先にアリーア・リヴジロール・ビルがある。ここからは安易にカメラを構え、撮影する余裕もなかったので、一気に目的のアパートを目指す。

こちらがフェレンタリ地区、そしてブカレストで最も危険とされるアリーア・リヴジロール・ビルである。

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正確な情報を確認できていないが、どちらかのアパートがアリーア・リヴジロール・ビルであることは間違いない。一見するとそれほど危険な雰囲気はないのだが、外観はひどく汚れており、多くの窓ガラスがない状態であった。また平日の昼間にも関わらず多くの男性が建物の前にたむろしていた。

さらにアパートの横には放置されたゴミがたくさんあった。

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ちなみに住民の方たちのリアクションとしては、正直ギリギリの感じであった。スラムにおいては、まったく興味を持たれないか、異常な警戒をされるかの二択であることが多いのだが、変な距離での監視が続く雰囲気であった。

続いてアリーア・リヴジロール・ビルに隣接するアパートの裏を覗いてみる。

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こちらもまた凄いことになっている。

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大量のゴミが一面に捨てられていた。衣服からアルミ缶、生ごみまで何でもありの状態だ。すでに私の鼻が死んでいるのかもしれないが、ハエがたかるこの場所で特に強烈な悪臭などを感じることはなかった。

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そんな中、ゴミの中に気になる物を発見する。

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無数に捨てられた注射器である。中には針が付いていた物もあった。どうやらこの場所が薬物の拠点となっている話は本当のようだ。ウィキペディアなどの情報では最も危険だった時代は1970年代とされているが、現在も危険であることは間違えないようだ。ここで一人の男性が私の近くでゴミをあさり始める。

あまり良い目で見られている感じではなかったので、私はアリーア・リヴジロール・ビル周辺をあとにする。

最後にフェレンタリ地区にあるレストランへ立ち寄った。

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ここではトルコのロカンタスタイルで好きなものを注文できる。値段も比較的に安く、美味しいルーマニア料理を頂ける。緊張感から解放された私はお腹いっぱいになるほど注文してしまった。

私は1時間30分ほど滞在し、フェレンタリ地区を後にした。

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今まで訪れたアジアのスラムとはまた違う雰囲気のフェレンタリ地区。正直、生きた心地はしなかった。特に問題はなかったが、いつ何が起きてもおかしくはなかっただろう。

とにもかくにも、観光客が訪れるような場所ではなかったので、ブカレストを訪れる際には誤って立ち入らないよう、十分に注意して頂きたい。

おわり。

Ferentari

The most dangerous place in Bucharest. I didn't have any trouble, but I don't recommend tourists to go there.

Location: Bucharest Rumania
Shooting date: 08/2022
category: Slum
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