ルム採石場の跡地/Rummu quarry

【シリーズ 世界の廃墟】

2022年7月某日。
エストニアのヴァサレンマ教区にあるルム採石場の跡地を訪れた。

この採石場は1930年頃から1990年頃まで水中採掘が行われてきた場所である。そしてもっとも特徴的なのが、採石場を運営していたのが刑務所であり、実際に働いていた労働者たちは受刑者であったことだ。

閉鎖された採掘場からは大量の水が溢れ、現在は湖が成形されている。そして当日使われていた施設の一部は湖に沈んだ状態で今も残されているとのことだ。

話だけでも十分に面白そうなルム採石場。あわよくば、刑務所も廃墟として残されている可能性がある。これは非常に楽しみである。早速、タリン駅よヴァサレンマ教区を目指す。

こちらがルム採石場の最寄り駅ヴァサレンマ駅である。

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ヨーロッパの田舎の駅といった感じだ。駅舎は古く、今は使われているのか不明である。これもヨーロッパ田舎ではよく見かける光景だ。

駅から7kmほど歩くとルム採石場がある。採石場付近までのバスが定期的に運行しているようだが、本数も少ないため、歩いて向かうことにした。

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道中は長閑な田園風景が広がる。ヴァサレンマ教区は人口が1000人も満たない小さな町ではあるが、ルム採石場を含め歴史ある建物がいくつかあるようだ。

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ゆっくり観光しても楽しそうなエリアであるが、エストニアの滞在期間は限られているため、今回は採石場のみの探索としよう。

歩くこと1時間。採石場の入り口らしきものが見えてきた。

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想像以上にちゃんとした門構えである。これはもしかすると『観光廃墟なのでは…』と思った矢先、入場料5€(約725円)を払う事となる。それでもエストニア滞在で最も訪れたかった場所なので大した金額ではない。

早速、ルム採石場跡地の調査へと向かう。

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大変に分かりづらい写真で申し訳ないのだが、左手には到底、登ることができない高さの有刺鉄線付きの塀がある。恐らく刑務所の敷地だろう。

さらに進むと刑務所と確信させてくれるような見張り台を発見する。

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とりあえず適当に採石場と刑務所に隣接する廃屋に入ってみる。

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こちらの建物はだいぶ状態が悪く、中には特に当時を感じさせるような品は置かれていなかった。

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小さな部屋が幾つかあったので、もしかすると採石場で働く受刑者か看守たちの待機場などとして使われていたのかもしれない。

建物を抜けるとまた塀が現れる。

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これもまた登るのは困難な塀である。ここでGoogleMapを使い、衛星画像を確認してみたところ、今いる場所付近には特に建物などは確認できない。大きな敷地内の反対側には幾つか建物が残されているようだが、現役の施設と隣接しているため、侵入は難しいと判断し、刑務所の調査は断念することにした。

後日調べて分かったのだが、この採掘場に隣接するルム刑務所は2000年頃まで運営されており、1970年頃までは採石場の運営を行っていたようだ。Web情報によると現在は博物館になっているらしいが、真相は定かではない。

そして本日の大本命ルム採掘場の跡地がこちらである。

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湖に沈むその姿は今まで見てきた廃墟とは類を見ない美しい姿である。何より湖の透明度が高く、廃墟との異常なコントラストがまた幻想的である。

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また湖はその透明度の高さから水泳場としても人気のようだ。そのため、入場料が発生したと考えらる。ちなみに湖に沈む廃墟の横にはこんなものもあったりする。

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廃墟好きとしては少し残念な複合物ではあるが、天気も悪い中、子供たちは楽しそうに泳いでいたので、それもまた面白い光景として記憶に残った。

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ちなみに湖畔の横には小高い丘が存在する。

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ルム灰山と呼ばれ、採石場から出た石灰石が溜まり、小高い丘を作られたようだ。現在はある程度の硬度があり、気軽に上ることもできる。

続いて湖に隣接する背の高い建物を調査する。

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何とも面白いデザインである。適当な入り口を見つけ、中へと入ってみる。

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室内は仕切りのない空間となっている。この建物は湖に沈んだ建物と陸地の中間にあるため、もしかすると発掘された採石を運ぶ中継点となっていた建物かもしれない。

床の一部がくり貫かれていたので、もしかするとここからコンベアなどでリフトアップされていたのかもしれない。

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階段は全て潰されており、これ以上調査することが出来ないので、外へと出る。

私は1時間ほど滞在し、ルム採石場を後にした。

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都市部から離れており、歩き疲れてしまったが、湖に沈み廃墟という中々お目にかかることの出来ない場所に来れたことはとても価値ある体験であった。これからも世界中の様々な場所に眠る廃墟を訪れたい。

おわり。

Rummu quarry

Ruins of a lake in the provinces of Estonia. Its appearance is fantastic and worth a visit.

Location: Vasalemma Estonia
Shooting date: 7/2022
category: Abandoned Places
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