ダウガヴグリーヴァ要塞の廃墟/Daugavgrīvas fortress

【シリーズ 世界の廃墟】

2022年7月某日。
ラトビアのリガにあるダウガヴグリーヴァ要塞の廃墟を訪れた。

この廃墟はリガの郊外にあり、17世紀初頭から第一次世界大戦中まで要塞として使われていた。現在はその歴史を伝える重要な場所である一方、特に整備はされておらず廃墟となっているようだ。

早速、リガ市街地よりバスでダウガヴグリーヴァ要塞を目指す。

こちらが最寄りのバス停。

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40分ほどバスに乗り、かなり郊外に来たと思っていたが、多くの乗客がバスを利用していた。要塞周辺はそれほど過疎化している訳ではないようだ。ここからさらに10分ほど歩く必要がある。

その道中にも素敵な廃墟がいくつかあった。

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これらの廃墟に立ち寄っても良かったのだが、周辺には現役の軍施設がいくつかあったので、むやみに入ると面倒になる可能性もあったので、今回は要塞のみ探索することにした。

池のようなものが見えてきた。

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こちらは要塞を囲む水堀のようだ。そしてその先には要塞の門があった。

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なかなか雰囲気のある門構えだ。ちなみに写真から分かるように私以外にも、この場所を訪れている方がいた。どうやら想像以上の人気スポットのようだ。

早速、門を潜り内部の調査を始める。

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こちらは要塞を囲む要塞壁である。ダウガヴグリーヴァ要塞は基本的に星形要塞となっているが、長い歴史の中で攻撃を受けた箇所の修復などにより、一部星形が二重になるような独特の形をしている。

要塞壁の中へと入ってみる。

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中は涼しく、思ったより埃っぽくはない。要塞壁には複数の入り口や窓があるので、空気の循環は良いのだろう。さらに内部にはダウガヴグリーヴァ要塞の歴史を伝える案内版のようなものが設置されている。この事からやはり完全に廃墟ではなく、ある程度は観光化されているようだ。

と言っても敷地内の道路はほとんど整備されておらず、草が生い茂る。

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また要塞の中央方面を見ると何やら背の高い建物が確認できる。

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何だか魅力的な建物だが、とりあえず要塞壁に沿って進む。

続いてこちらの要塞壁を探索してみる。

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ここは小高い丘から要塞壁の上部に上ることが出来た。上部には煙突の口があった。もしかするとこの辺は食堂や調理場として使われていたのかもしれない。
さらに進むと施錠された幾分新しい門が出現する。

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ラトビア語で書かれているので、何と書いているかは分からないが、とにかく侵入は許さないようだ。先にも説明したが、周辺には現役の軍事施設があるため、ここは無理をしないほうが良いだろう……。

ここで来た道を戻り、先ほど見えていた中央の塔の様な建物に行ってみた。

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なかなか魅力的な廃墟である。塔の下部分は要塞壁と同じレンガ造りであるが、なぜか塔の上だけは木製で作られている。この不思議なコントラストが何とも言えない興奮を得る。塔の入り口は完全に塞がれており、中に入ることが出来なかったのが少し残念である。

さらに敷地内を歩くと古い家などもあった。

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兵舎として使われていた建物だろうか。とくに変わったところのない廃屋ではあるが、状態や佇まいは雰囲気があり、こちらも魅力的な廃墟である。

30分ほど歩くと、先ほど入ってきた門の反対側付近へと到着する。

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この辺りの要塞壁は門の付近に比べると強固な作りをしていた。入り口の地面に線路が引かれていた箇所もあったので、兵器庫や火薬庫などとして使われていたと考える。

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中に入ってみると鉄の扉や大がかりな機械の跡などが確認できる。

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さらに20分ほど歩くと門へと戻ってきた。

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ダウガヴグリーヴァ要塞を一周して思ったことが、その状態の良さだ。長い歴史があり、それほど管理された場所ではないようだが、城塞壁のレンガなどは綺麗な状態で崩れている箇所などは、ほとんど確認できなかった。もしかすると修復など手を加えた可能性もあるが、さすが要塞として活躍した場所である。

私は1時間ほど滞在し、ダウガヴグリーヴァ要塞を後にした。

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完全な廃墟という訳ではなかったが、敷地内には様々な建物が残されており、探索を楽しむことができた。ヨーロッパにはダウガヴグリーヴァ要塞のように廃墟となった要塞がいくつかあるので、これからも色々と巡っていきたい。

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おわり。

Daugavgrīvas fortress

Ruins of a fortress on the outskirts of Riga. Many buildings were left on the premises, and I was able to explore them happily.

Location: Riga Latvia
Shooting date: 7/2022
category: Abandoned Places
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