森に潜む要塞廃墟/Bunker B-S 1
【シリーズ 世界の廃墟】
2022年6月某日。
スロバキアのブラチスラバにある要塞廃墟を訪れた。
この廃墟はブラチスラバ滞在中にたまたま見つけた廃墟で、限られた滞在時間のなかで、是非にと思いスケジュールを完全無視して訪れた場所である。
この要塞廃墟は旧市街地などがある観光エリアから大きな橋を渡り、南へと向かう。
体感で1kmくらいある長い橋である。この時点で帰りの列車の時刻は結構迫っており、少し速足で橋を渡る。
橋を渡ると、いかにも廃墟がありそうなエリアへと入る。
写真には写っていないが、自転車やジョギングで通る人が結構いた。恐らく私が目指す廃墟を含め、この辺りは意外と人気のスポットなのかもしれない。私も自転車を借りれば良かったと少し後悔をする。
さらに30分ほど歩くと何やら看板が見えてきた。
どうやら私が目指していた要塞廃墟の案内のようだ。スロバキア語の他に英語、ドイツ語で書かれている。
早速、案内が出ている道を進む。
道は整備されておらず、かなり茂っている。想定より訪れる人は少ないのだろうか。まぁ廃墟としてはそっちの方が魅力的で良いのだが。
数メートル進むと廃墟らしき建物が見えてきた。
目的としていた要塞の廃墟で間違いないようだ。思ったより小さな要塞であるが、形や雰囲気はかなり良い。
何だか面白い窓もあったりする。
これは要塞として使われていた当時、機関銃が設置されていた箇所である。
この要塞について少し説明すると、建設されたのは第2次世界大戦中のこと。ここから西へ数百メートル進むとそこは隣国のオーストリアである。当時、オーストリアはナチスドイツの支配国であり、それらの攻撃を迎え撃つために、この要塞を含め10か所に設置されたとのことだ。
せっかくなので、中の調査もしてみることにした。
中はかなり暗い様子なので、久々にストロポを設置。足元に注意しながら、いざ内部へ__。
ストロボがイケていないことはさておき、内部は当時の物が置かれているわけでもなく、無機質な空間となっている。外光はほとんど届かず、中心部では何も見えないくらい真っ暗である。
上の写真はあの機関銃窓の内側である。外から見るより、かなり広い窓口だ。ある程度、角度を付けて射撃が出来たことが確認できる。
その後も暗い室内を慎重に進むも、すぐに突き当りに到着する。
反対側は誰かのお住まいになっているようだ。
中心街からも結構離れているので、ここに住む人は相当な人見知りさんのようだ。
内部の調査を終え、もう一度外に出る。
どうやら来た方向とは反対側の道から屋根部分にも乗れるようだ。
屋根に付いている球体部分はこんな感じ。
銃眼として使われていたと思われる。下の機関銃の窓といい、小さな要塞であるが、当日はかなりの鉄壁であっただろう。
私は1時間ほど滞在し、この要塞廃墟を後にした。
ちなみに現在も数か所の要塞が近くに残っているとのこだが、時間に追われていたため、調査をすることができなかった。また次回、スロバキアを訪れた際に、しっかりと調査をしたいと思う。
近所の麦畑は美しかった。
おわり。
Bunker B-S 1
The ruins of a fortress on the outskirts of Bratislava. It was a small building, but it was a wonderful ruin with a very atmosphere.
Location: Bratislava Slovakia
Shooting date: 6/2022
category: Abandoned Places
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