クラクフに残された砦の廃墟/FortBenedict

【シリーズ 世界の廃墟】

2021年12月某日。
ポーランドのクラクフにあるベネディクト砦の廃墟を訪れた。

ベネディクト砦は19世紀半にクラクフ郊外にあるランタ丘に建てられた砦である。実際に砦として使われていた時期は短かったらしいが、長い歴史の中で兵舎やアパートとして使われていたようだ。現在は廃墟となっているとのこと。

こちらがベネディクト砦のあるラソタ丘の入り口である。

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向かって左側に写っているのは墓地である。この墓地の横にある細い道の先にベネディクト砦あるようだ。

割と交通量のある通りに面しているこの場所は、外国人観光客の私がいると結構目立つので、さっさと丘を登って行く__。

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かなり雰囲気のある場所だ。これは砦の廃墟にもかなり期待が出来る。

小高い丘を登ること数分。広場に出る。

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丘の上には謎の施設と数件の家があった。それほど人気のある場所ではなく、犬の散歩をしているお兄さんしかいなかった。またなんだか素敵な教会もあったりする。

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こちらの教会は常時解放されていないようだ。そしてこの教会の横にお目当ての砦がある。

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鉄の門の奥にレンガで作られた砦が確認できる。それほど大きな建造物ではないが、廃墟好きとしてはかなり良い感じだ。敷地は施錠された門と背丈より少し高いフェンスで囲まれている。オフィシャル的には、これ以上近づくことはできないようだ。また門には何やら警告の様なものが確認できる。

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ポーランド語で書いてあるため、詳しくは分からないが、『立ち入り禁止』と言うことだろう。ここからでも十分に見ごたえはあるので、諦めて帰っても良いところだが、とりあえず敷地内を囲むフェンスを周回してみることに。

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落ちたら結構危険な狭い裏の道を進んでいると__。

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廃墟名物の先人たちの導きがあった。ここから敷地内へ入れそうだ。

フェンスを潜り、敷地内から見た砦の様子がこちら。

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16面の多角形で作られたフォルムが大きさ以上に存在感を持ち、その歴史を感じさせる。しかし、綺麗に積み重ねられたレンガは崩れている箇所などはなく、状態としてはかなり良い廃墟である。そこはさすが砦である。

内部への侵入を試みたが、正面の入り口は施錠がされており、また一階部分の窓はすべてコルク板の様な物で塞がれていた。

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これ以上の侵入は難しいと諦めかけた私の目の前に謎の物体が現れる。

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ピザ窯みたいなこいつの中を覗いてみると___。

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暗くて見えにくいが、どうやら地下へ続く階段があるようだ。その階段はどこへ繋がってるか分からないが、とりあえずスマートフォンのライトを頼りに中へ入ってみた。

しかし物凄い量の埃に秒で噎せ返る。これは防塵マスクが無ければ侵入は難しいようだ。とりあえず敷地内に入れたので良しとしよう。

私は30分ほど滞在し、この廃墟を後にした___。

後日、インターネットで調べたところ、この要塞は現在も特別な時期や行事に解放され、内部の観光もできるようだ。また私が見つけた窯のような入り口は、やはり要塞へと続く道で、侵入されないようにレンガで塞いだものを侵入者が破壊し、あのような形になったようだ。次回は是非、解放された日に訪れたい。

おわり。

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FortBenedict

The ruins of the only fort left in Krakow. Currently it is not released except on special days.

Location: Krakow Poland
Shooting date: 12/2021
category: Abandoned Places
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