クラクフ採石場跡地／Krakow quarry ruins

【シリーズ世界の廃墟】

2021年12月某日。
ポーランドのクラクフにある採石場跡地を訪れた。

ここは第二次世界大戦中に強制労働が行われていた採石場の跡地であり、あのスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『シンドラーのリスト』で、クラカウ・プラショウ強制収容所の撮影地として使われた場所である。

早速、採石場跡地の近くにあるクラクフ山へとやってきた。

この山もまた不思議な山だ。日本や韓国で見られる古墳のようだ。クラクフ山の頂上から採石場の跡地が見えそうなので登ってみることに。クラクフ山の歩道は螺旋状に作られているため、小さな山だが少し酔ってしまった……。

頂上から見た採石場跡地の様子。

三角屋根の謎の建物が確認できる。ここからでも、かなり期待できそうな廃墟である。また後日、『シンドラーのリスト』を改めて鑑賞してみたが、確かにあの建物も映っていた。

クラクフ山を下山し、隣接するお墓の横から採石場を目指す＿＿＿。

小雨が降っているので、足元には注意が必要だ。またここから見る採石場跡地の景色は圧巻であった。

現在、採石場の中心部には多くの水が溜まっており、湖のようになっている。また切り崩された崖部分にはフェンスなどはなく、この写真を撮るのも、かなりの恐怖であった。

さらに道に沿って崖を下って行くと、別の廃墟を発見する。

それほど広い建物ではなかった様だが、倉庫などに使われていたものだろう。ちなみにここに残されている建物の全ては採石場として使われていた時代のものではなく、『シンドラーのリスト』の撮影時に使われた建物との事だ。まぁそれはそれで映画好きとしては価値のあるものだ。この建物からさらに下りて行くと、クラクフ山から見えた三角屋根の建物が姿を現す。

近づいて分かったが、かなり錆びているようだ。鉄骨も決して太くはないので、これはいつ崩れてもおかしくはない状態だ。可能であれば上ってみたいものだが、二つある階段のうち一つはかなりの根性仕様となっていた。

高さは10m以上あるだろうか。下に水が溜まっていると言え、落ちたらタダでは済まないだろう。とりあえず、もう一つの手すりがグラグラな階段から慎重に上っていく＿＿。

無事に上ることができたが、建物の上もかなり悪い状態だ。床の薄い鉄板は錆びており、太った私が歩くたびに強くしなる……。一部の床は腐って落ちている。これは本当に気を付けないといけないやつだ。

独特な形状をしたこの建物。作中では少佐の屋敷の横に確認できるが、果たしてどのような設定で建てられたのだろうか……。

見下ろすと別の建造物が確認できる。作中ではバラックが並んでいたあたりかと思うが、もしかすると高い位置からの撮影などに使われたのかもしれない。今は完全に水に浸っているようなので、あそこには行けそうもない。

また現在立っているこの建物も、これ以上先には進むことができないようだ……。

さすがにジャンプした先で底が抜けて終わりだろう。とりあえず怖すぎるので一旦、この建物から降りる。

下りるのも相当怖かった……。
その他にも、この周辺には倉庫のような建物やトンネルの入り口のような場所があった。

この入り口はおそらく、採石場当時のものだろう。まだまだ探せばいろいろと見つかりそうだが、天候が悪化してきたので退散することにした。

私は1時間ほど滞在し、クラクフ採石場跡地を後にした＿＿。

かなり状態の悪い廃墟であったが、映画の撮影地の廃墟というなかなか類の見ない場所に来れたのは良い経験であった。クラクフでは他にもシンドラーの工場やゲットーの跡地など、ユダヤ人に対するホロコーストの歴史も多く知れ、本当に訪れてよかった場所である。

おわり。

Krakow quarry ruins

The site of a historic quarry ruins.The ruins was very damaged and very dangerous. If you fall, you will die, so don't climb.

Location: Krakow Poland
Shooting date: 12/2021
category: Abandoned Places

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