カラキョイ/Kayaköy
【シリーズ 世界の廃墟】
2021年10月某日。
トルコのフェトヒエにあるカラキョイを訪れた。
カラキョイとは18世紀頃に築かれたギリシャ正教徒の村で、多い時には数千人が住んでいた。しかし希土戦争の後に交わされたローザンヌ条約の住民交換により、全ての村人が立ち去りゴーストタウンとなった場所である。今回、イスタンブール滞在中にカラキョイの訪問を検討したが、なかなか日数が掛かりそうなため、滞在先をアンタルヤという街に移し、そこから長距離バスでフェトヒエを目指すことにした。
こちらがアンタルヤのバスターミナル。
空港と見間違えるほどの大きさだ。ここからバスで3時間、まずフェトヒエを目指す。バスはかなり贅沢な感じであったが、10分で酔った。
途中、サービスエリアに立ち寄り、フェトヒエに到着する。ここからさらに10kmほど南に行ったところにカラキョイはある。正直、歩いても良い距離だが、既に時刻は14時を回っていたため、帰りの事を考えると徒歩は難しいと判断。近くのレンタルバイク屋さんで自転車を借りる。
半日レンタルで20トルコリラの自転車に乗り、いざカラキョイへ!
しかし、あまりにもしんどい山道で1時間でカラキョイ行きを断念……。結局、レンタルバイク屋のお父さんに車で連れて行って貰う事となった。老いとは悲しいものだ。
自転車で1時間頑張った地獄の山道も車だと20分。簡単にカラキョイに到着する事が出来た。自転車屋のおじさんは近所の馴染みのカフェで待つとのこと。早速、カラキョイの探索を始める。
こちらがカラキョイの様子__。
凄い数の廃墟がそこには並んでいた。その数は500近くが残っていると言われている。住民がいなくなった後、大きな地震が発生し、多くの建物がダメージを受けたが中には状態の良い廃墟も幾つかあった。
内部には何かが残されているわけではないが、それがまた歴史を感じさせる廃墟である。この建物は仕切りなどが無いことから、お店や倉庫などに使われていたのかもしれない。
ちなみにカラキョイの中には、幾つか通れる道が残されており、そこを歩いて進むことができる。
無理に道なき道を進むと、謎のチクチクした植物の餌食になるので、注意が必要だ。
こちらは家屋だったと思われる建物。煙突や階段の様なものが確認できる。
こう言った生活感のある物が残っていると、ここに人が住んでいた事を感じることが出来る。廃墟探索では、廃墟になった現在の景色を楽しむ事もそうだが、現役時代を追体験するのも楽しみに一つである。
そしてこちらはカラキョイでも有名な教会の廃墟だ。
入口の横に十字架が確認できる。このイスラム教徒の国で、確かにギリシャ正教徒が住んでいた証である。中の状態は他の建物と比べ物にならないほど良く、この場所が村人たちにとって掛け替えのない場所であったことを物語っているようだ。
教会の裏手はこんな感じ。
ここに大きいトカゲがいて、テンションがあがった。
その後もカラキョイの探索を進める。ちょうど日の入りが近かったため、高い位置からみたカラキョイのサンセットビューはとても美しかった。
私は2時間ほど滞在し、カラキョイを後にした__。
長い歴史の中で、迫害や強制移住など様々な出来事があったカラキョイ。今回、ここを訪れたことで、その歴史も学ぶことが出来た。また廃墟を探索する身としては、これほど大規模な廃墟群に出会えたことは嬉しい限りである。これからも世界中に眠る廃墟へと足を運びたい。
おわり。
Kayaköy
A city built around the 18th century. It used to be home to Greeks and is now lined with about 500 ruins.
Location: Fethiye Turkey
Shooting date: 10/2021
category: Abandoned Places
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