サビノサ・サナトリウム/Sabinosa's Sanatorium

【シリーズ 世界の廃墟】

2021年1月某日。
スペインのタラゴナにあるサビノサ・サナトリウムの廃墟を訪れた。

このサナトリウムはスペインでも有名な廃墟の一つで、前から気になっていた場所である。早速、滞在中のバルセロナから電車でタラゴナへ移動する。

こちらがタラゴナ駅の様子____。

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バルセロナから海岸に沿い、電車で1時間ほどで来れるタラゴナは駅裏に広いビーチがあり、また市街地には古代ローマ時代の遺跡が残っていたりと、とても美しい街である。

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目的のサナトリウムの廃墟は、駅から3kmほど北上した場所にあり、海岸沿いの遊歩道を使えば一本道である。しかし、ここで一つ想定外の事態が起きる。それは思ったより人が多い事だ……。午前中のまだそれほど気温が高くない時間にも関わらず、多くの人が散歩をしていた。この人目の数はもしかすると廃墟に侵入できない可能性もある。

歩く事30分____。

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遠くにそれらしき建物が見えてきた。場所から推測するに、きっとあれがサビノサ・サナトリウムだろう。しかし、相変わらず人は多く、その中には1月の海で泳ぐ強者もいたりした……。

そんなこんなで、廃墟の敷地付近に到着する____。

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敷地には2mほどの柵が作られており、容易に侵入する事はできない様子。また幾つかの箇所にゲートもあるようだが、どれもしっかりと施錠されていた。

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とりあえず、ひと気のない崖側を攻めることにする___。

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イージーな廃墟であれば、そろそろ柵の一部がこじ開けられているなどの激アツ演出があるものだが、特にそんな箇所はなく、塩害で錆びついているも、しっかりとした柵で敷地内は守られている。

そして、サビノサ・サナトリウムの建物がよく見える場所に出る___。

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建物の状態はかなり悪いようだが、大きな棟をはじめ、たくさんの建造物が敷地内には残されていた。コテージのような1階建ての建物は、恐らく入院患者の病室だったのだろう。

近づいて見るとかなり迫力があり、これは是非、敷地内の調査も行いたいところだ。しかし、柵には補強された跡なども見受けられ、侵入者に対する強固な姿勢が見て取れる……。

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さらに柵越しから見える建物のドアや窓にも、鉄柵が付けられていることが確認でき、仮に敷地に入っても建物内への侵入は難しそうである。

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結局、グルっと一周してみたが、とくに簡単に入れそうな場所はなかった。柵は高さ的には、十分に超えることも出来そうだが、人目が気になり、実行に移すことはできなかった。また敷地内をカメラのズームで撮影してみるとヤギがいることが確認できた。

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恐らく誰かの管理下の元にあると判断し、私はサビノサ・サナトリウムの侵入を断念することにした。

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私は1時間ほど滞在し、この場所を後にした___。

今回のヨーロッパの旅では、かなり順調に廃墟探索できていたが、この廃墟は入っては行けない予感がした。

他の人のWebサイトなどを見ると以前は容易に侵入ができたようだが、土地がら次第に難しくなったのかもしれない。まぁー外観だけでも十分に美しい廃墟だったので、ここに来れただけでも良しとすることにした。

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おわり。

Sabinosa's Sanatorium

The building has a fence. It also has many eyes and is difficult to invade.

Location: Tarragona Spain
Shooting date: 1/2021
category: Abandoned Places
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